最古の高野版は空海の出家宣言の書

2021年07月09日
鎌倉時代の出版物『高野版』は模倣からオリジナルの製本方法へ

高野版とは、鎌倉時代に霜月騒動で有名な安達㤗盛(あだちやすもり)達により開版された仏教書に限定される出版物です。

開版当初は春日版の模倣であったが、表裏印刷をし、その紙を二つに折った山部分に糊をつけ、
綴じ代として重ね合わせる製本方法『粘葉装(でっちょうそう)』という独自の製本方法を開発しました。

現存する最古の高野版は、建長5年(1253年)に刊行された『三教指帰(さんごうしいき)』。
これは、空海による、出家を反対していた家族への出家宣言の書だそうです。対話討論形式で叙述され、戯曲のような構成になっています。
この書物は、日本における最初の比較思想論のため、重要文化財に指定されています。
また、原文の『聾瞽指帰(ろうこしいき)』は、和歌山県の高野山にある高野山霊宝館に所蔵されています。

今から何百年も昔の出版物・・・一冊作るだけでも相当大変だったのではないかなと勝手に想像しております(^_^;)

writing:さくぱな

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