日本最古の版木は大和の国にあり!?

2021年07月01日

日本において、最古の版木である「春日版」とは、平安時代後期から鎌倉時代にかけて興福寺を中心とした奈良の寺院で印刷された木版刷りの経典などで使用された版木のことです。

1行17文字の楷書で揃えられた無匡郭(むきょうかく)の和様字体で、黄紙(こうし)といわれる虫の害から防ぐためキハダで染めた紙に両面または片面印刷がなされ、版面の右隅には開版年代・寺名・願主・施主・彫工の氏名が印刷時に写らない方法で、隠刻されてます。

この版木は、藤原不比等(ふじわらのふひと)ゆかりの寺院であり、藤原氏の氏寺である奈良県の『興福寺』に存在します。
この寺院には、なんと2,778枚もの版木が残されており、重要文化財の指定も受けています。

小学校の図工の時間、木の板を彫刻刀でせっせと彫って木版画を作った記憶が蘇ってきますが、昔の人はそうやって手間暇をかけて1枚1枚版を作り印刷をしていたと思うとその苦労は想像もできません。

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