私たちを取り巻くさまざまな自然物、樹木の葉や生物の姿形、山々の地形や雪の結晶、しいては私たちの身体を構成する小さな細胞たち。その美しいフォルムに目を向けてみると、決して人間が作りだすことのできない究極の機能美=合理的で無駄のない形態に気がつくと思います。
効率的に水を掻き水中を速く泳げるように特化した魚のヒレ、光合成に必要な日光を効果的に全ての葉にいきわたるようにレイアウトされた樹木の枝葉、猿から進化し、二足歩行に特化した私たち人間の骨格。それらどのフォルムを見ても、その与えられた機能や役目を合理的に全うすべく生まれた、シンプルで無駄のない究極の機能美に関心させられます。
現在、そのような生物・自然物の必然的で機能的なフォルムなどを、工業製品などに応用していくバイオミメティクス(biomimetics)=生物模倣と呼ばれる技術に活用されています。
例えば、ハチドリの美しい翼のフォルムからホバリングに効果的なドローンの飛行技術や蝶の羽のフォルムをもとに、風ムラの無い扇風機の開発など、さまざまな製品開発に自然物の機能的なフォルムが応用されています。
弊社のデザインワークにおいても、見せかけやごまかしの表現ではなく、その自然物における必然的で機能的なフォルムのように、効果的で機能的な表現は何か、またデザイン要素においては最小構成で、いかに最大訴求力を発揮できるかを常に考えています。究極の機能美をテーマに「必然的で機能的なデザイン」を常に追求しデザインワークを行なっています。